【英語】canとcouldの違い ~couldは単にcanの過去形などではない~
今日は英語について。
初学者向けというよりは、少し文法も勉強して深い理解をしたい方向け。
さて、英語が義務教育である日本人なら誰もが聞いたことのある2つの単語でしょう。
そして、多くの方が、couldはcanの過去形だ、と教えられてきたことでしょう。
もちろん、私もそうです。
当時、センター試験の英語は190点だったが、これから書くことは微塵も知らず、couldはcanの過去形だと信じていた。
でも、それだと、恐ろしいことにcouldの半分も理解できていないことになる。
それではさっそくやりましょうか。
まずはcanという言葉のおさらいから。
意味は基本的に以下の3つがある。
①推量 ・・・possible 「ありうる」
②許可 ・・・allowed 「してよい」
③能力 ・・・have the ability to do something 「できる」
ここで、couldという単語を英語で紹介しよう。※参考文献より引用
could ・・・the past of can ,especially with understand, see, hear, smell, taste, feel and remenber
つまり、couldがcanの過去形として使用されるのは、基本的には、上記の単語と一緒に使用された時だけなのである。
例:As soon as I walked into the room, I could smell gas.
また、上記の単語以外と一緒に使われるときは、多くは時制の一致によるものである。
ちなみに、上記以外の単語を使用して「~できた」と言いたいときは、was able to doが使用される。
これは、couldが「一般的は能力がある」という意味での「~できる」なのに対して、was able to do が「特定の状況での能力」という意味であることに由来する。
よくわからない人は、上記の単語というのは、一般的な能力に言及しているからcouldが使用されて、それ以外は、多くは、特定の状況での能力についてだからwas able to do が使われると思ってもらってOKです。
例:Fortunately, everybody was able to escape .
ここまでは前座です。
それでは本題いきましょう。
couldがcanの過去形、という意味で使われないときは、どういう意味になるのでしょうか。
possible actions now or in the future
※canも同様の意味で使えるが、couldの方が不確実性が高い
ということで、couldは当然のように現在・未来についても使うことができます。
例 A:What shall we do tonight?
B:We could go to the cinema.
あえて、couldのニュアンスを分かりやすく訳出するとこんな感じ。
A:「今夜なにする?」
B:「映画でもえんちゃう、知らんけど」
こんな感じで、「たぶん行かないけど」とか「全然決めてないけど」とかそんな感じの曖昧なニュアンスを醸し出せるわけです。
これでAが、「あ、ちょうどいいわ!見たい映画あるねん!」とか言うと、
Bは「ほんまに行くん!? 適当に言うただけやのに 笑」みたいになります。たぶん。
また、このニュアンスを説明する分かりやすい説明が以下。これがミソ。
can ・・・realistic 「現実的」
could ・・・unrealistic 「非現実的」
まずは、canの例から。
例: Sarah is my friend.So I can stay with her.
「サラは友達だから、彼女の家に泊まれる」⇒ realistic
次にcould。
例: I'm so tired. I could sleep for a week.
「くっそ疲れたー1週間寝れるわ。(嘘やけど)」⇒ unrealistic
こんな感じで、適当なことばっかり言ってしまう関西人には使いどころが多いなーとか思ってました。
「絶対嘘やん!笑」とか返されるような適当な非現実的なことにはcouldを使いましょう。逆に言うと「お前を守れるのは俺だけだ」みたいなクサいセリフを言いたいときに、間違ってcouldを使ってしまうと怒られるはずです。
少し応用編。could have。
こいつには2つの使い方がある。
①the past
②something possible but did not happen
①から。これは現在・未来に言及するcouldを過去の文脈で使いたいとき。
例 I was so tired. I have could slept for a week.
「(あんとき)めっちゃ疲れてたし1週間は寝れたで」
次に②。こちらは大学受験英語でおなじみのやつ。もちろん過去の話。
例 You could have stayed with Sarah.
「サラのところに泊まれたのに(泊まらなかった)」
ここまでcouldを見てくると、以下のような、慣れないとパッと見て気付きにくい仮定法も、わりとすんなり理解できるようになる。
例 I could do that.
「おれやったらできるのに」(実際はなんらかの理由でできない)
洋画を見ていると、省略、多義語である基本動詞、助動詞、背景知識を要する発言、とかが多くあり、英語字幕を一時停止を多用しながらじっくり見ても、やっぱりよくわからんところとかがあり、日本語字幕を見ても、どこをどうしたらそう訳出されるねん、みたいな、むしろ間違ってんちゃうんか、みたいなもやもや感が出る。
今回のように、助動詞は発言のニュアンス、という点において非常に重要である。
少しでも英語を表面的でなく、深く理解して、ネイティブと同じタイミングで意味が分かった上で笑うことができるようになりたい、という目標を設定している人の一助になればと思います。
次回、willとwouldの違いでもやろうかなと思います。
※筆者は英語教育者でもなんでもなく、教科書を使って勉強したことの自分の理解が書かれているに過ぎません。書いてあることが間違っていることもあるかもしれませんが、ご容赦ください。
ー参考文献ー
・English Grammar in Use ~Fourth Edition~